放送大学 授業科目案内 アメリカの歴史と文化('08)
(所属・職名) 放送担当講師名
(所属・職名) 1 なぜアメリカ合衆国の歴史を学ぶのか? アメリカ合衆国は植民地開闢以来400年の歴史を有する。世界の超大国として政治・経済・文化の各分野に圧倒的な力をもつにいたったアメリカの歴史を学ぶ意味は何なのか。多元国家の歴史に迫る意義を考える。
【キーワード】
北アメリカ大陸、多民族社会、アメリカニゼーション、グローバリゼーション
(東京大学教授) 遠藤 泰生
(東京大学教授) 2 「新世界」の異文化接触 ヨーロッパ植民者と北米先住民(アメリカ・インディアン)は、異なる価値観や生活スタイルといった文化の接触と対立を経験した。両者の関係がアメリカ文化の形成にそののちどのように作用したのかを考える。
【キーワード】
北米先住民、植民者、インディアン戦争、野蛮と文明
(日本女子大学教授) 白井 洋子
(日本女子大学教授) 3 「自由な社会」の光と影:南部奴隷制社会の成立 植民地時代から南北戦争まで続いた黒人奴隷制度は、アメリカ社会の拡大と発展に大きな影響を与えた。政治・社会・文化の幅広い側面からその歴史を振り返り、あわせて、現代のアメリカにおける「人種」の問題を考える手掛かりを探る。
【キーワード】
南部植民地、プランテーション農業、黒人奴隷制度、人種主義
うつ病現代の中條 献
(桜美林大学教授) 中條 献
(桜美林大学教授) 4 独立戦争と建国の時代 アメリカ独立戦争は世界で初めての共和主義の革命であった。政治思想を共有した13の植民地が、新たに連邦国家を形成するまでの波乱の歴史を振り返り、あわせて、アメリカ建国の歴史が世界史に占める意味を考える。
【キーワード】
七年戦争、共和主義、独立宣言、合衆国憲法、啓蒙思想
(東京大学教授) 遠藤 泰生
(東京大学教授) 5 民主主義を可能にする社会 19世紀の南北戦争前の時代は、民主主義が本格的に実現した時代であった。その社会秩序実現に関して、第2次大覚醒と呼ばれた宗教運動、女性が主宰した家庭、及び、彼女たちが展開した様々な改革運動が互いに関連しつつ、どのような役割を果たしたかを考える。
【キーワード】
第2次大覚醒、近代家族、ヴィクトリアニズム、女性参政権運動
(東京女子大学教授) 小檜山 ルイ
(東京女子大学教授) 6 大陸国家の形成:光と影 19世紀は、アメリカが領土を太平洋岸に拡大した時代でもあった。先住民の強制移住を伴いながら展開した西漸運動が、アメリカの社会に与えた影響を、国内と国外の二つの視点から検討する。最後にC.ペリー来航の背景を探る。
【キーワード】
西漸運動、明白なる運命、カリフォルニア、C.ペリー
セネカフォールズのテニス遠藤 泰生
(東京大学教授) 遠藤 泰生
(東京大学教授) 7 「アメリカ国民」の創造:南北戦争と再建の時代 南北戦争と再建の時代から、20世紀初頭までの歴史を扱い、奴隷制度の廃止と人種隔離制度の確立、インディアンの強制的同化、中国系移民の排斥だけでなく、連邦政府の権限の強化などを通して、「アメリカ国民」という存在が、政治的、文化的に規定されてゆくプロセスを描く。
【キーワード】
南北戦争、再建、ジムクロウ、国民国家
(桜美林大学教授) 中條 献
(桜美林大学教授) 8 帝国の縁:ハワイとアメリカ史における「周縁」 ハワイは1898年の米西戦争を契機にアメリカへ併合された。独立国家であったハワイを、なぜアメリカは領土としたのか。ハワイの歴史をクローズアップしながら、世紀転換期のアメリカ社会について考える。
【キーワード】
太平洋、先住民、プエルトリコ、帝国主義
(東京大学准教授) 矢口 祐人
(東京大学准教授) 9 産業社会の到来:都市と農村 南北戦争後のアメリカでは、急激に資本主義的商工業が発達し、新移民が押し寄せ、民族・人種、文化的多様性に拍車をかけた。新たに出現した都市的アメリカと伝統的な農村的アメリカの相克、その間に立って、新しい社会秩序を構築しようとした革新主義の試みを紹介する。
【キーワード】
資本主義、新移民、ポピュリズム、革新主義
カシオGショックフロッグマン小檜山 ルイ
(東京女子大学教授) 小檜山 ルイ
(東京女子大学教授) 10 ジャズ・エイジ:繁栄から恐慌へ 第一次大戦への参戦によって世界の大国の一つとなったアメリカは、ジャズ・エイジとも呼ばれた20年代に、空前の経済的繁栄を謳歌した。だが、その繁栄は世界恐慌の到来とともにあっけなく崩壊し、連邦政府が主導する新たな福祉国家の導入を余儀なくされた。その時代の政治と文化を学ぶ。
【キーワード】
大衆消費社会、ヘンリーフォード、大恐慌、ニューディール
(東京大学教授) 遠藤 泰生
(東京大学教授) 11 第二次世界大戦と日本 日米間の戦争が一般市民に与えた影響について学ぶ。とくに女性や人種・民族的マイノリティの人々にとって、この戦争がどのような意味を持ったのか、日系移民の運命などに焦点をあてながら考える。
【キーワード】
真珠湾、日系人、強制収容所、銃後の女性
(東京大学准教授) 矢口 祐人
(東京大学准教授) 12 シクシティーズ:社会抵抗運動と「新たな統合」の模索 第二次世界大戦後の「豊かな社会」から、公民権運動を主とする1960年代の社会抵抗運動を通じて、アメリカ合衆国が、国家的、社会的にあらたな統合を確立する過程を考える。
【キーワード】
公民権運動、M.L.キング、エスニック・リヴァイヴァル
(桜美林大学教授) 中條 献
(桜美林大学教授) 13 ベトナム戦争とアメリカ社会 ベトナム戦争は、アメリカ社会に何をもたらしたのか。戦争評価をめぐる国論の分裂や反戦運動、帰還兵士の直面した問題、戦後建設された多様な戦没者記念碑などに触れながら、どのような価値観の変化があったのかを探る。
【キーワード】
ベトナム、反戦運動、帰還兵士、対抗文化、戦没者記念碑
(日本女子大学教授) 白井 洋子
(日本女子大学教授) 14 アメリカ女性と20世紀 第一次世界大戦を境に、アメリカの女性の政治的立場と生活は大きく変わったが、女性たちがヴィクトリアニズム的近代の枠組みを最終的に打破したのは、1960年代以降の第2派フェミニズムを通じてであった。20世紀後半、アメリカの女性たちは何を求め、それはアメリカ社会をどのように変えてきたのかを考える。
【キーワード】
第2派フェミニズム、平等権修正、人工妊娠中絶、差異
(東京女子大学教授) 小檜山 ルイ
(東京女子大学教授) 15 9.11以後のアメリカと世界 冷戦の終焉を迎えたアメリカでは、1980年代以来、新たな保守主義の台頭が目立つ。21世紀における多元国家の行方をその象徴とも言えるニューヨークの歴史を取り上げながら、いま一度考える。
【キーワード】
9.11、ニューヨーク、多文化主義、保守主義、反米
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